BXカネシン(東京都葛飾区)とポラスグループのポラス暮し科学研究所(埼玉県越谷市)は、中大規模木造建築を低コストで実現できる金物「MPブレースシート」を共同開発し、11月16日発売した。梁などのコーナーに取り付け、鉄筋ブレース(M18)をつなげて天井の水平構面を補強する金物で、最大8m×8m構面を木造で構築することができる。大空間を必要とする平屋建ての店舗や倉庫、事務所などに適しており、両社はこれまで鉄骨造が多かったこれらの施設に採用することで木造への切り替えを進める。
新製品は、構造用合板と小梁による細かな構成を高強度の鉄筋ブレースに置き換えることで、最大8m×8m構面を少ない部材点数で構築することを可能にした。
ポラス暮し科学研究所の照井清貴さんによると、例えば建物の外形が24m×48mの平屋店舗を木造で造る場合、一般流通材を使用する木造軸組工法だと鉄骨造よりも約1割ほどのコストカットをすることができるが広い空間をつくることはできなかった。一方、大断面集成材を使えば大空間は実現できるがコストは鉄骨造の約1.5倍と、これまでの技術では空間とコストの両立が難しかったという。これが今回の新製品でコストを抑えながら木造でも鉄骨造のようなシンプルな構造で大空間を実現。梁や合板などの部材点数の削減により、設計・施工も容易になったとする。
カネシンではオープン販売とすることで新た市場開拓を進める。まずは初年度30棟の商業施設や倉庫などへの採用を目指し、それを足掛かりに「木造の平屋商業施設を標準化したい」とする。ポラスグループでも、中大規模建築の請負受注やプレカット部材の受注を進め鉄骨造から木造への切り替えを図る。ポラテック木造建築事業部において、現状12.4%の非住宅木造の契約金額構成比を2023年度までに15%にする目標を掲げている。
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