ウッドショックによりベイマツと輸入集成材は一気に値上がりして品薄に。今や国産材を賢く用いてコストを抑える工夫は不可欠だ。そこで国産材と木造の双方に詳しいマルダイの功刀友輔氏と小泉木材代表の小泉武彦氏に取材。Q&A形式でまとめた。
Q.1
価格を抑えた国産材中心の仕様は?
A.柱と羽柄材はスギ。横架材は梁せい210mmないし240mmまではスギ。梁せい270mmまではベイマツ。それ以上はカラマツ集成材
◉ウッドショックにより高値と品薄が続くベイマツやホワイトウッド(WW)集成材、レッドウッド(RW)集成材から国産材に切り替え、コストを抑えるにはどんな仕様がよいか
◉スギKDの正角材とスギ集成材の正角材は入手しやすいためWW集成材などからすぐ代替できる。母屋や小屋束、間柱など羽柄材をスギのKD材に変えるのも容易だ。土台はKDだと高価になるがヒノキになる。昨今は価格重視ならベイツガ防腐処理材のほうが安価だ
◉横架材に関してはスギの平角材の生産が増えている。国産材に強いプレカット工場や材木店であれば、梁せい210ないし240mmまでなら入手しやすい
◉スギの無等級材はベイマツやRW集成材より基準強度の評価が低いが、スパン1間半(2727mm)までなら大抵は梁せい240mmまでで収まる
◉ただしベイマツなら梁せい180mmでOKだった箇所をスギに変えると梁せい210mmが求められるなど、断面が増す部分が出てくる。天井高さなどに注意する
◉240mmより大きな梁せいが必要な部分は樹種などの使い分けが必要。梁せい270mmまで従来通りベイマツを採用。それ以上の断面は極力減らす。300mm以上の梁せいの部分はカラマツ集成材を用いる。国産材にこだわらないならRW集成材となる
➡︎ラマツ集成材は国産材集成材のなかではE105などの強度が高く、梁せい300mm以上の製品が流通している
Q2.
梁せいを抑えるプランの工夫は?
A.上下階で壁の直下率を高めて、2 階耐力壁の直下に耐力壁がない状態を避ける。また小屋組みの荷重を床梁に掛けないようにする
◉梁せい240mm以下のスギで収まるようにプランも工夫する。木造2階建ての場合、2階の床梁のスパンやピッチを過大にしないことと上下階で壁の直下率を高めることが重要…
【残り1978文字・写真17枚、図表点】
この記事は、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン11月号/工務店らしいリノベーション戦略』(2021年10月30日発行)P.10~に掲載しています。
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