総務省消防庁は10月28日、防災拠点となる公共施設等の耐震化状況の調査結果を取りまとめ公表した。都道府県・市町村が所有または管理する防災拠点となる公共施設等(以下、施設等)18万5472棟のうち、10月1日時点で耐震性が確保されている施設等の割合は95.1%で、昨年度から0.9ポイント上昇した。総務省消防庁は「耐震率は着実に上昇している」としつつ、災害時の業務継続性確保の観点から、未耐震の施設等の耐震化に「早急に取り組む必要がある」としている。
耐震性有りの施設等の内訳は、現行の耐震基準で建てられた1982(昭和57)年以降建築の施設等が54.8%。1981(昭和56)年以前の建築で耐震診断して耐震性有りとされたものが15.8%、改修済みが24.5%だった。
一方で、「耐震性無しまたは未確認」の施設等が9133棟(4.9%)残っている(耐震診断済・未改修3.1%、1981年以前建築で耐震診断未実施1.8%)。
施設区分別では、文教施設(校舎、体育館)の耐震率が最も高く99.2%。次いで、消防本部・消防署所と診療施設がともに93.9%、社会福祉施設が91.2%と続く。それ以外の庁舎や警察署等、県民会館・公民館等、学校以外の体育館は8割台で耐震化が急がれる。
発災時に災害対策本部が置かれる庁舎に関しては、47都道府県すべてで、庁舎または代替庁舎の耐震性が確保されていた。一方、市町村(1741団体)では庁舎・代替庁舎の耐震率は昨年度から1.4 ポイント上昇し98.6%だった。
調査結果を踏まえ総務省消防庁は同日、地方公共団体に対して施設等の耐震化の更なる推進(特に、消防本部・消防署所や災害対策本部設置庁舎)に取り組むよう通知。緊急防災・減災事業債の活用も促している。
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