楓工務店(奈良市)は、建設現場で出た廃材をSNSを通じて一般消費者に無償で提供する「残材BANK」のサービスを11月から本格的に開始した。
建築主の許可を得た上で、廃材の画像、サイズや種類、本数などを専用インスタグラムに投稿。ダイレクトメッセージで連絡してきた希望者と日程等を調整して同社の本社事務所で引き渡しを行う。
同社は、建設現場で余った廃材を無償提供することで、本来捨てられるはずものを必要な人のもとへ届け、建材の廃棄ロスにつなげたいと考え、本サービスを開始。コロナ禍でおうち時間の過ごし方として自宅でDIYをする人が増えているとし、今後も需要があると見込む。
9月にテスト運用を兼ねて同社の倉庫に保管している21本の残材の無償提供を行った。インスタグラムの投稿で希望者を募ったところ、同社で家を建てたオーナーを含む3組が応募したという。「家の一部をセルフリノベーションしたい」「木材で子ども用のおもちゃを作りたい」など用途は様々だったが、5日間の申し込み期間中、投稿したその日に3組が決まったという。
「本来捨てられてしまうはずの廃材を必要な人のもとへ届けるこの取り組みは、建設現場での建材の廃棄ロス問題を解決し、 SDGsの『陸の豊かさも守ろう』に通ずるもの、また楓工務店が掲げる「笑顔の創造」という理念に一致する地域貢献活動であるとも言える」として、今後は月に1回のペースで、インスタグラムで募集をかけ、定期的に残材の提供を行っていく。
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