コスモホーム(名古屋市)は、「コスモスタイル」の名で自社の住宅を標準化する取り組みを、20年ほど前から行っている。大きさ・価格別のプランを決め、顧客の予算や要望に応じて提案するスタイルで、営業・設計・施工の全面的な標準化を達成。住宅の規格化をベースに、会社のシステムやあり方そのものを標準化して経営を安定させ、利益を大きく伸ばしている。
〇顧客ニーズや消費動向を反映させた規格プラン
「コスモスタイル」確立
→確立前と比べ、年間棟数・売上ともに約5倍に!
〇営業、設計、施工で組むチーム制を導入
→マンパワーに頼らず“誰でも利益をあげられる”社員教育が可能に!
コスモスタイルを作り上げたのは、同社の2代目社長・鈴木岳紀さん。コスモスタイルは7種類(2019年5月30日時点)、規格住宅「木箱の家」の2種類を合わせた全9種のプランをラインアップしている。価格は2180万から2900万円。全プランをA3用紙1枚にまとめたものも用意し、誰でも一目で大きさ(建築面積)と価格を理解できる。
営業面ではまず、この価格表をもとに、顧客の予算、資金計画を探る。仮に予算が2000万円だとすると、追加工事はなく、むしろ「〇〇を削ってほしい」という引き算の要望が多くなる。2500万円ならば追加工事が100万円は発生する、というように、顧客の予算から受注額の見当をつけていくという。
つまり、価格に対する追加工事の額の想定を共有すれば、「誰がやっても最終的な受注額が想定できる」仕組みだ。顧客とのファーストコンタクトの段階で、既に標準化のロジックが適用されている。
価値観が合えば限られたプランでも受注可能
住宅のラインアップを考える際、鈴木さんは「顧客が求める標準化」ができているかどうかを重視する。価格もデザインも、消費者のニーズや価値観と合致していなければ受注には結びつかない・・・・
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この記事は、『新建ハウジング別冊・プラスワン7月号/仕様・性能だけじゃない!工務店の標準化』(2019年7月30日発行)P.8~に掲載しています。
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