札幌市はこのほど、「札幌版次世代住宅」に関する調査の集計結果をまとめた。それによると、回答した事業者による新築戸建て住宅のうち、札幌版次世代住宅基準「ベーシックレベル」相当(UA値0.36)以上の断熱性能を持つ住宅は59.7%で、前回調査より12.4%増加。このうち「スタンダードレベル」相当(UA 値0.28)以上の住宅も39.1%と前回調査より9.7%増加したことがわかった。
対象は2020年度に札幌市で5棟以上の戸建住宅の確認申請を行った事業者か札幌版次世代住宅性能評価を申請した144社で、53社から回答を得た。
UA値のおおよその内訳は、0.28以下が最も多く38.2%。次いで0.46以下が21.6%、0.36以下が20.6%を占めた。気密測定実施率は59.0%で、C値のおおよその内訳は0.5以下が35.3%、1.0以下が23.7%だった。
また、標準仕様としている住宅の性能は、UA値が0.28以下が31.4%、0.36以下が21.6%、0.40以下が11.8%、0.46以下が29.4%。C値は0.5以下47.9%、1.0以下31.3%だった。
高断熱・高気密住宅普及のために必要な支援策としては、「補助金・融資・金利優遇」を求める声が最も多く42%。次いで「費用対効果を示すための試算ツール」が29%だった。一方、既存住宅の断熱改修普及に必要な支援策も「補助金・融資・金利優遇」が最も多く42%。「費用対効果を示すための試算ツール」が23%、「事業者向けの技術的な講習会」11%と続いた。
自由意見では、回答した事業者から「UA値0.3~0.35でも十分快適に過ごせる。レベルの高い住宅を目指すのは良いが、コストがかかり過ぎるのもどうかと思う。ハイレベル以上は現実的ではない」と制度見直しに言及する意見や、「ハイレベルの一次エネルギー消費量基準の45%は厳しい。せめて50%に」といった声が寄せられた。
そのほか、「北方型住宅2020」と合わせて考えられるように、補助金や融資、金利優遇について「北海道と足並みを揃えてはどうか」といった見解や、「札幌市の独自制度を設ける必要はない」などといった厳しい意見があった。
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