パナソニック エレクトリックワークス社(大阪府門真市)は、照明の光に動きや明暗、色などの変化を加え、人に「回遊」や「滞留」などの行動を働きかける屋外向け照明演出手法「アフォーダンスライティング」の提案を11月1日から開始する。
「アフォーダンスライティング」は、人が心地よく感じつつ行動に働きかけられる演出をデザイン思考で着想。光の変化パターンと人がそれをどう感じるのかを検証しながら開発した。これまでの照明のように一定の明るさで照らし続けるのではなく、動的な光によって人の心理や行動に働きかけるという。
同社が被験者30人に実施した実験では、歩行速度に合わせて進行方向に光が流れる「回遊」の演出において、「光の動く方向に歩きたい」「楽しい」「興味がある」などの項目が一般的な屋外照明よりも高く評価された。また、ゆったりと明るくなる、暗くなるを繰り返す「滞留」の演出では、「飽きない」「とどまりたい」「心地よい」などの項目が高く評価され、それぞれの演出が狙う効果についての優位性が確認されたという。
同社では、任意の方向への訪問を働きかける「誘導」などの新たな演出コンテンツの開発も進めており、さまざまな目的に合わせて活用できるよう順次展開していく予定。
同社は「アフォーダンスライティング」の効果検証を進めるため、世界遺産である元離宮二条城(京都府)で11月5日から実施されるライトアップイベント「ワントゥーテン 二条城夜会」に同照明演出を試験導入。公の場での効果検証を実施する。
同社は、光が人に与える影響の研究を続け、空間を明るく照らすだけではない新たな照明の価値を提案していくことで、空間価値向上に貢献するとしている。
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