日本能率協会(東京都港区)が主催する「みらいのたね賞」の受賞製品が決まった。その詳細と選評は、11月17~19日に東京ビッグサイトで開催されるJapan Home & Building Show2021で展示される。期間中には選考に携わった建築家によるシンポジウムや受賞企業ブースを巡るツアーも開催されるので、ぜひ足を運んでほしい。
「みらいのたね賞」とは、「優れた建築を生みだすことに貢献しうる優れた製品、未来への布石となる製品」を表彰するもの。その前身である、(一社 )HEAD研究会による「HEADベストセレクション賞」の開始から約10年にわたって、全国の様々な建材、設備機器などを幅広く取り上げてきた。Japan Home & Building Show2021の出展者だけが選考対象となる。
今回、選考委員を務めた建築家は、松永安光さん(HEAD研究会理事長、近代建築研究所)、山本想太郎さん(山本想太郎設計アトリエ)、そしてゲスト選考委員として小堀哲夫さん(小堀哲夫建築設計事務所)が加わった。ゲスト選考委員が発案するのが恒例となっている選考テーマは、小堀さんの案により「地球目線で考える受け継がれるものとは何か」となった。地球目線という長いスパンでとらえ、後世に受け継がれていくもの。それらのものは、これから私たちが目指す循環型社会の確立に寄与するものになることだろう。
今年度の応募総数は約230点。
第1次選考会で27点に絞り込まれ、10月13日に実施された最終選考会において9点が今回の「みらいのたね賞」の受賞製品として選出された[上表]。
選考委員各氏は「あらためて応募作品の内容をみると実に興味深い。新たな発見がいくつもあった」(松永さん)、「コロナ禍でどうなるかと思ったが、建築を下支えしてくれる堅実な技術がたくさん寄せられた」(山本さん)、「目からうろこが落ちるような思い。審査に参加して勉強になった」(小堀さん)と話す。
選考委員による選評は、Japan Home & Building Show2021の期間中に開催されるシンポジウムや受賞企業ブースを巡るツアーでも語られる予定。今後の建築を考えるうえでもきっと参考になるはずだ。
改質水と抗火石の木材乾燥技術 woodbe
フルタニランバー株式会社(石川県木材産業振興協会)
woodbeは、既設乾燥炉に改質水製造装置と抗火石を加えた世界初の高速木材乾燥技術。天然乾燥期間を必要とせず、人工乾燥時間も短縮でき、木材の商品化サイクルを極限まで早めることが可能。
サニスピードプラス
SFA Japan株式会社
大掛かりな工事を行うことなく、手洗器・キッチンなどの水まわり設備を設置することが可能。住宅だけでなく、駅・空港などの公共施設や商業施設などにも多数採用。感染症対策の観点から建物・施設の入口付近に手洗器を増設したいという要望も増加している。短工期・省施工での手洗器増設が可能になり、日本の水まわりの常識が変わるような商品。
ラインボーン・ザ・スパイス
東洋テックス株式会社
業界初のデザインを採用したフローリング。森林の採光の風景をイメージした斬新な柄は、黄金比を採用しており、斜めと縦の交錯が美しい。従来のヘリンボーンと比較し、コスト面、施工性に優れた1×6サイズの仕様で、業界初、シートフローリングで柄に合わせた横溝を入れる技術も搭載。抗ウイルス・抗菌仕様(SIAAマーク取得)で、住まいの床を衛生的に保つことが可能。
STEICO(シュタイコ)
イケダコーポレーション
木繊維断熱材シュタイコは針葉樹の端材が原料。そのためイソシアネートを含む接着剤やホルムアルデヒドなど、防蟻処理も含めて有害な化学物質は不使用。水や空気など環境に配慮した製造工程で管理され、梱包材に至るまで再利用可能な素材で作られている。また、製品製造中の厳しい管理以外にも、第三者機関による原材料の継続的な管理下で、排出物がなく、危険性がないことが認定されている。
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