アキュラホーム(東京都新宿区)はこのほど、同社の新社屋となる木造8階建てビルを、普及資材、工法、施工による「普及型純木造ビル」として埼玉県さいたま市に建築すると発表した。敷地内には1500m2の低層中大規模木造建築物も2棟建築予定。2022年着工、2024年度竣工予定。
木造住宅を手掛ける同社が、国内で最も普及している木造軸組み工法の製材、プレカット加工技術などの生産システムを使用し、施工することで、坪120万円以下という従来の2/3ほどの普及価格帯を目指す。また、オフィスを都心から郊外に移すことで、これまでと同等の費用で8倍以上の面積を実現した。事務所のほか、宿泊体験棟やショールームなどを開設する。
木質構造研究会会長で東京大学教授の稲山正弘氏、組子構造による美しい建築を手掛ける野沢正光氏、木を生かしたダイナミックな建築を手掛ける原田真宏氏・原田麻魚(まお)氏に設計を依頼。木造の建築技術を存分に体感できる空間になるという。
近年、純木造ビルのトレンド化が加速し、環境配慮の観点からも木材利用が拡大しているが、同社は非住宅建築物の木質化には、地場の工務店が施工できるプロトタイプとすることが重要だとして、今回の「普及型純木造ビル」を建築。日本古来の伝統技術と、大学と共同で研究開発を進めてきた現代技術を融合させ、ビル建築、公共建築物などの新たな選択肢として提供し、木造の街並みの復興に寄与したいとしている。
アキュラホームグループは、一般流通構造材料と住宅用木材プレカット加工技術を採用することでコストを抑え、特殊な技術や資材を使用しない方法で、中大規模木造建築の普及実現に向けた取り組みを行ってきた。2016年には埼玉北支店社屋を建築。2017年にはつくば支店社屋を特別な金物を一切使用しない一般大工による施工で実現している。
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