昨今の外構は機能門柱が普及したこともあり、電気製品が増えた。そこで外構まわりの電気工事のポイントと機能門柱や宅配ボックスについて、菅沼建築設計の菅沼悟朗さんに聞いた。
外構の設計施工において電気工事は意外と悩ましい。予算が厳しい場合、外部に配線する工事が発生すると5万~10万円のコスト増になるからだ。外部配線の有無や長さは、インターホンの設置位置に左右される。予算が厳しい場合は玄関に付けることを提案するという。外部に配線する際には、深さ40~60cm程度の溝を掘る。なるべく幅を広げないことが肝要だ。そこに直径16mmのCD管を敷設し、そのなかに電線とインターホン信号線を通す。長さにもよるが、電気屋が1人で行って半日から1日の仕事だ。
CD管を通したら土を少し戻して、その上に土中に配線があることを示すテープを設置する。後年、リフォームなどで掘り返したときに配線を傷めずに済む。テープを置いたら完全に埋め戻す。外部の配線工事は門柱の工事に先行して行われるので、CD管は余裕をもった長さにしておき、門柱を建てるところの近くに巻いて置いておく。
昨今、ポストや照明、インターホンがユニット化された機能門柱を用いることが増えた。この場合、機能門柱の足元をコンクリートで固めるタイミングでCD管を通しておく。コンクリートが硬化した後にCD管に電線や信号線を通し、機能門柱に組み込まれたインターホンや照明と結線する。配線スペースは機能門柱のアルミフレームの中空部分などに仕込まれている。なお、土中から門柱までわずかな長さだが電線が露出する部分が生じる。この部分は耐候性の高いPF管や塩ビ管を用いる。
宅配ボックスのニーズが高まる
機能門柱の利点はユニット化だ。素材が数種類使われていても取り付けの工種は1つで済む。素材の取り合いもオープン目地や金属目地など乾式になるので施工性や仕上がりはよい。注意点としては・・・
この記事は、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン8月号/工務店テック&住宅テック』(2020年7月30日発行)P.44~に掲載しています。
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