備前グリーンエネルギー(岡山県備前市)はこのほど、ZEB化改修工事の設計業務を行った久留米市企業局合川庁舎と久留米市立中央図書館の2施設が、BELS認証取得およびZEB Readyに認定されたと発表した。
ZEB化改修工事設計等業務では、実施設計業務(設備及び仕様の選定、配置選定)、コミッショニング業務、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)認証取得業務、工事監理業務(合川庁舎のみ)を実施。合川庁舎は築52年(1969年竣工)、中央図書館は築43年であり、合川庁舎はBELS認証された事務所等で竣工年が最も古い公共建築物となる。
真空ガラスなどによる断熱性の向上、高効率設備(照明、空調、換気等)の導入、設備の制御の最適化などを適切に行うことで、これまで難しいとされてきた既存建築物のBELS認証およびZEB化が、ほぼ可能になるという。中央図書館は、庭園、美術館、音楽ホールなどを備えた総合文化施設である石橋文化センター内に位置するため、外観の調和と変更の制限がある中でZEB化を実現した。
また、合川庁舎は災害時に上下水道の対策拠点となるため、電気・ガスが長時間途絶した場合でもサーバーや周辺設備が稼働できるよう、太陽光発電と蓄電池を導入。サーバーの電源を確保することで、災害対応機能を維持できるようにしている。災害時に機能維持が必要な公共建築物は多いため、再生可能エネルギーを活用したレジリエンス強化モデルの事例として、今後の防災対策に幅広く活用できるとしている。
同社は、築年数が経過した既存建築物のZEB化は、脱炭素化社会の実現を推進していく上で意義があるとして、今後も省エネが困難だと思われている建物のZEB化を推進し、持続可能な社会の一助となるよう取り組んでいくとしている。
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