林野庁は10月1日、「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」を制定した。森林は吸収した炭素を貯蔵していることから、建築物等での木材利用は、地球温暖化対策に貢献できる取り組みとして、推進が期待されている。同ガイドラインは、国民や企業にとって分かりやすい表示の仕組みを設けることで、木材利用の一層の促進を図ることが狙い。
同ガイドラインは、建築物の所有者や建築する事業者等が、建築物への木材の利用についてHWP(※)に関する考え方を踏まえて、建築物に利用した木材炭素貯蔵量を独自に表示する場合の、標準的な計算方法と、表示方法を示した。表示対象は、算定に必要な情報が入手できれば新築、既築を問わない。ただし、仮設建築物等は長期間の炭素の貯蔵が期待されないことから対象とはならない。
具体的に、建築物に利用した木材(集成材、合板、木質ボード等含む)に係る炭素貯蔵量(Cs)の計算は、W(建築物に利用した木材の量、m3)、D(木材の密度(t/m3)、Cf(木材の炭素含有率)、44/12(炭素量を二酸化炭素量に換算)を乗じて算出する。
計算式:Cs= W × D × Cf × 44/12
計算に当たっては、樹種別又は建築用資材別に、それぞれの区分に応じた木材の密度等の値を用いて算定した値を合計する。また、外国産材が含まれる場合は国産材使用量を必要に応じて樹種別に把握し、計算する。
※HWP=Harvested Wood Products、伐採木材製品。京都議定書第2約束期間以降、森林経営活動を通じて生産された国産材由来のHWPの炭素貯蔵量の変化を温室効果ガス吸収量又は排出量として計上することができる。
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