YKK AP(東京都千代田区)はこのほど、戸建て住宅の性能向上リノベーションを普及させることを目的に「性能向上リノベの会」を発足した。全国の工務店と協働し、2030年度までに累計1万棟の性能向上リノベを展開することを目指す。同社執行役員の菊井利樹・リノベーション本部長は、「性能向上リノベが社会課題解決に役立つと認識している。住宅事業者と一緒にオンリーワンの会を目指したい」などと意気込む。
同会の内容は、①技術サポート、②業務サポート、③営業サポート、④事業者同士をつなぐネットワーク――が大きな柱。①技術サポートでは、性能向上リノベの事前相談から、調査提案、物件契約、設計実務、工事管理、引き渡しまでのすべての業務フローでサポートメニューを提案。全行程52項目のチェックリストは、入力すれば工事費用の確認や予算算出に活用できる。
また、建築時期によって耐震や断熱の制度が異なることを踏まえ、築年数とリノベーションのパターン(持家・実家リノベ、中古購入+リノベ、買取再販)などから、最適な改修例を示すように体系化する計画だ。
一方、②業務サポートは、煩雑な業務のアウトソーシングについて、外部の専門企業と連携。断熱(エヌ・シー・エヌ)、住宅ローン(iYell)、耐震(M’s構造設計)、補助金(エーディーエル一級建築士事務所)――等の各社のサービスを有料で利用できる。
また、③営業サポートでは、専用サイトで様々なノウハウを共有。消費者にも分かりやすい性能向上基準を設け、独自の認定制度も創設する。④ネットワークでは、必要情報のアップデートや、会員向けオリジナルセミナーを順次展開していく。
加盟条件は▽性能向上リノベの普及に尽力、▽国交省のリフォーム事業者団体登録簿の構成員または建設業許可、宅建業、設計事務所登録を取得していること、▽YKK AP商品を積極的に採用すること――など。会費は、入会金5万円、年会費3万円。建材流通店などの賛助会員は入会金3万円、年会費1万円。
同社リノベーション本部の米山浩志・事業企画部長は「同会のメインは持家のリノベ」としつつ、「中古リノベはマンションでは増えており、戸建てにも来るのでは。買取再販も今後に期待したい」などと語った。
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