日本アクア(東京都港区)が、今年から戸建て住宅向けに販売を本格化したベランダなどの防水に用いるポリウレア樹脂の超速硬化防水システム「アクアハジクン」の受注が好調で、今期(2021年1月~12月)の採用企業が100社を超え、来期の施工棟数は今期の5倍の5000棟に増える見込みという。短い工期で高耐久を実現しながら、下地材の変更により安定的な低価格化を図ったことが好調の要因。同社では「ベランダ防水で主流のFRP防水をしのぐ勢い」とする。
来年3月以降に想定される施工件数の急増に備え、施工者の養成が課題。現在、認定施工店は約60社だが、建設業以外の異業種からの参入も含め30社程度の増加を見込む。9月に大阪府内で開かれた展示会で実演施工を行うなどしてアピールしながら、施工店を追加募集。材工一式の責任施工体制を全国で確立する。大手建材商社のクワザワがアクアハジクンの採用を決めており、今後、首都圏を中心とする関東エリアで、施工者の養成を含めて施工体制を強化する。
アクアハジクンは、昨年10月には国土交通大臣による飛び火認定を取得。木造住宅で使用可能エリアが拡大したほか、瑕疵担保保険の3条確認も取得している。同社では「従来のFRP防水が10年で塗り替えの必要があるのに対し保証が最長15年と長寿命で、超速乾性のため工期が短く、1人で吹き付け施工できるのも特長」とする。また、ウッドショックによる下地材の価格高騰を受け、仕様を合板からスラグせっこう板(8mm)に変更し、飛び火認定に合格したことにより、顧客の建築コストの安定に貢献できるという。
全国300社の認定施工店の体制を構築した自社商品の現場発泡断熱材「アクアフォーム」と同じように、「工務店の協力会社である防水業者の人材を活用しながら、市場を塗り替えたい」(同社)考えだ。
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