大成建設(東京都新宿区)は10月14日、屋内に短期間で空間を構築できる木質フレーム「T-WOOD SPACE Light」を開発したと発表した。
軽量な木質部材で構成された軸材ユニットを、3方向から差し込む新たな接合法を活用。剛強な嵌合接合により、金物を使わず構造体を支える柱、梁を構築できる。軸材ユニットは、中実断面製材の1/9程度の小断面製材4本を綴り材で接合した部材が基本構造で、1mあたり2.4kgと軽量なため、人力での運搬が可能。特殊な加工や接合金物を使わず、施工性が大幅に向上し、屋内に容易に木材のみを使用した空間を構築できるという。
軸材ユニットの構成本数を増やすことで柱や梁の構造性能を向上でき、最大スパン長が約8mの木質空間を構築可能。軸材ユニットを構成するのは一般的な製材で、高度なプレカット技術が不要なため、特殊な加工機を持たない全国の製材所でも製造できる。同社は同技術の導入により、木材利用の推進だけでなく、環境負荷低減に寄与する木質空間を屋内に構築できるとしている。
建設業界では、脱炭素社会の実現に向けて木質材料の利用が進められており、中大規模建築物の木造化や木質ハイブリット化のほか、内装の木質化などが注目を集めている。同社は今後、新たな付加価値を有する屋内空間として「T-WOOD SPACE Light」を積極的に提案。顧客に高性能で上質な木質空間と環境配慮型の構成フレームを提供することで、脱炭素社会の実現に向け貢献するとしている。
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