厚生労働省の労働政策審議会は10月11日、事務室の照度基準や作業場の便所の設置基準、救急用具の扱い等を改正する省令案(事務所衛生基準規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱)について、概ね妥当であると厚労大臣に答申した。
省令改正案は、事務所の清潔保持や作業環境等の衛生基準が制定から50年近く経過していることから、その間の社会状況の変化を踏まえて検討。7月に改正案を同審議会に諮問していた。
具体的には、事務室の作業面の照度基準を見直し。現行の作業区分と基準は、①精密な作業300ルクス以上、②普通の作業150ルクス以上、③粗な作業70ルクス以上――の3区分だが、改正案では▽一般的な事務作業300ルクス以上、▽付随的な事務作業150ルクス以上――の2区分とした。
作業場における便所の設置基準は、現行は同時に就業する人数に応じて便房の数が定められている。改正案では「作業場に設置する便所は男性用と女性用に区別して設置する」ことを原則とした上で、(1)独立個室型の便所を設置する場合は、男性用大便所の便房、男性用小便所及び女性用便所の便房をそれぞれ一定程度設置したものとして取り扱うことができるものとする。(2)同時に就業する労働者が常時10人以内である場合は、独立個室型の便所を設けることで足りることとする――とした。
救急用具については現行では常備する品目が規定されているが、改正案では事業場で労働者が負傷したり疾病にり患した場合には、「その場で応急手当を行うことよりも速やかに医療機関に搬送することが基本である」などと指摘。事業場に一律に備えなければならない品目についての規定は削除した。
厚労省は今回の答申を踏まえて、12月上旬(照度基準は2022年12月1日)の施行に向け省令の改正作業を進める。
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