矢野経済研究所(東京都中野区)はこのほど、国内のビル管理市場の調査を実施した。2020年度の市場規模(元請金額ベース)は、前年度比99.0%の4兆2337億円を見込む。宿泊・商業施設関連等の稼働状況の低下が市場規模縮小の要因だとした。建物使途別の市場規模(見込値)では、非住宅がシェア96.4%、前年度比98.9%の約4兆801億円で、そのうち最もシェアが高いのは、事務所ビルの21.7%で、前年度比98.5%の約9194億円となり、ビル管理市場の5分の1程度を占めている。
2021年度の市場規模は、前年度比100.9%の4兆2724億円と予測する。新型コロナなどの影響による先行きへの不透明感から、宿泊・商業施設関連などでは人流抑制による稼働状況の停滞が懸念材料になるとしている。一方、新しい生活様式が定着し働く環境が変化する中で、オフィスビルをはじめとする施設の新築供給は続いており、ビル管理事業のフィールドは拡大している。SDGsへの取り組みを明確にして働き手の意識を高め、日常業務の品質向上へつなげたり、DXを活用した業務効率化、省人化などへの取り組みが期待される。
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