一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)などが運営する「ゼロ・エネルギー化推進室」は4月25日、住宅のゼロ・エネルギー化を進める2つの補助事業に関するホームページを公開した。同補助事業は、建築主・住宅所有者を対象にした経済産業省の予算による事業と、住宅会社を対象にした国土交通省の予算による事業がある。両事業の併用はできないため、導入する内容により選んで利用する形になる。どちらも「トップランナー基準」(「住宅事業建築主の判断の基準」)の計算方法に準じた方法で、一次エネルギー消費量を概ねゼロにすることなどが求められる。いずれも5月中旬から6月中旬まで募集する予定。7月中に採択結果を発表する。
経済産業省分の予算による事業は、補助額の上限が1戸あたり350万円(2分の1以内)と高額だが、対象は自動制御による日射遮蔽システムなど省エネ効果が認められるが導入費用が高額で普及が進んでいない新しい技術・設備の導入など高度。具体的には、SIIが認定する「特殊省エネシステム」や太陽光発電を導入することが条件。また、断熱性能についても、新築は熱損失係数がIV地域で1.9以下などの高い条件がある(既築は次世代省エネ基準)。なお、燃料電池や蓄電池、太陽光発電など他の補助金がある機器についてはエネルギー使用量の削減には含めてもいいが、補助の対象にはならない。採択件数は約600件。
国土交通省分の予算による事業は、住宅会社からプロジェクトを募集し、対象となる案件を採択する形。対象事業者は年間の新築住宅供給戸数が50戸程度未満の中小工務店。住宅は、新築・改修とも次世代省エネ基準を満たす必要がある。また、トップランナー基準の計算法で計算しなくても、定められた仕様によるものや審査委員会で認められるものも対象とする。補助額は1戸あたり最大165万円(2分の1以内)。1社あたり10戸が上限。採択件数は約1400件。
「ゼロ・エネルギー化推進室」は、SII、一般社団法人 日本サステナブル建築協会、一般社団法人環境共生住宅推進協議会による共同事業。
※4月28日更新
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