岸田文雄新内閣で国土交通相に就任した斉藤鉄夫公明党副代表。経歴は1952(昭和27)年2月5日、島根県邑智郡邑南町(旧 羽須美村)生まれの59歳。1974年に東京工業大学理学部応用物理学科卒業、1976年3月東京工業大学大学院理工学研究科応用物理学専攻修士課程修了後、同年4月に清水建設に入社した。
1986年8月から3年間、米国プリンストン大学客員研究員となり、1993年7月に衆議院議員初当選(旧広島1区)。2008年8月、福田改造内閣で環境大臣に就任。2018年9月に公明党幹事長に就任した。
現在は国土交通相、公明党副代表、同広島県本部顧問を務める。衆院当選9回。趣味は自他ともに認める鉄道マニアだ。
政策は「コロナ対策」や「核兵器のない世界」を目指すほか、広島土砂災害や西日本豪雨では、いち早く被災者支援に奔走したことから土砂災害防止法改正、砂防ダムや河川の整備などに尽力。政府との太いパイプを生かし、災害に強い地域づくりを目指す。
菅首相が2050年までの実現を宣言した脱炭素政策を掲げ、環境相時代からの宿願とし、CO2排出量を実質ゼロにする吸収源対策となる森林整備が重要と説く。災害に強い山づくりや林業振興、農業の有害獣対策としても効果があるとし、循環型経済のモデルを広島から発信する。
環境相時代には地球温暖化対策と経済活性化対策を結びつける構想「緑の経済と社会の変革(日本版グリーン・ニューディール)」を発表している。太陽光発電(固定価格買取制度)や省エネ家電(エコポイント制度導入)、省エネ住宅、次世代自動車(エコカー減税、エコカー補助金)などを普及させた実績がある。
同時期には2030年の温暖化ガス削減目標の作成にも携わり「30年度に13年度比26%削減という目標は非常に難しいと思った」と答えている。さらに菅義偉首相が掲げた50年に排出量を実質ゼロにする目標はそれよりも野心的で実現には覚悟がいるとしていた。
その目標達成には水素社会の構築が不可欠とし、再生可能エネルギーや原子力から水素をつくり、燃料などとして使うことを示し、火力発電所などから出る二酸化炭素(CO2)を回収して地中などに貯留する技術(CCS)の開発も進めるべきとの考えを示している。再生可能エネルギーに関して、比率は少なくとも3割を超えなければ主力電源化とは言えないという。日本では地熱発電が最も期待され、コストを下げる技術の進歩が重要と考えている。
企業などの研究開発を促すには「50年カーボンニュートラル特別補助金」を創設して研究費の支援をしたり、特別税制枠を設けたりする必要があると訴えていた。
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