若手工務店経営塾　講師インタビュー②

■若手時代を振り返って

20代で実家の工務店に戻った頃は、あらゆる建築スタイルに興味を持っていて「何でもやりたい」という気持ちでした。自社のスタイルにこだわりすぎず、お客様の好みに合わせた家づくりを心がけていましたが、次第に「自分が手がけている建築は、日本の風土に合っているのか」と疑問を感じるようになりました。とはいえ、どのような方向性を目指すかは定まっておらず、悩みながら働いていました。

転機となったのが2014年にスイスとドイツを訪れたとき、エコ住宅との出会いがありました。そこから日本の風土にあったエコ住宅の模索を決意し、帰国後は学びと実践を睡眠時間を削りながら繰り返しました。

自分の理想と当時の事業内容には差異があり葛藤はありましたが、まずは実績を積み重ねて信用を得ることを大切にし、2016年には日本一のエコ住宅に選ばれました。

さらに、新しい方向性を目指す上では、先代である父との衝突もありました。互いに芯となる考え方がある中で、どう折り合いを付けていくかは難しく、自分の提案をつっぱねられ、不条理だと感じることもありました。それでも話し合いを重ね、一歩一歩進んできたことが、今につながっていると思います。

■経営塾で伝えたいこと

今回は、私の経営思想を中心にお話ししたいと考えています。経営思想は、経営理論のように必ずしも企業での再現性が高いものではありませんが、経営者の生き方の核となる部分であり、聞き手の心に訴えかけ、行動を起こす力があると考えています。

私自身も多くの方から経営思想を教わり、自らの原動力としてきました。経営思想には感覚的な側面もあり、伝え方が難しいかもしれませんが、設計の手法や社内でのルール作りなど、具体的な例を挙げながら、皆さんに私なりの経営哲学を伝えることができればと考えています。

●社員数：正社員6名 パート6名（社員換算8名）／新築+リノベ事業
●年間新築件数：10棟（新築+リノベ＝年間16棟まで）／2021年完工予定
●年間売上：5億円／2021年完工予定
●平均単価：新築：4100万円 リノベ：3400万円／2021年受注分

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