米国の現地時間9月29日、米抵当銀行協会(Mortgage Bankers Association, MBA)は、アメリカにおける9月24日までの1週間の住宅ローン申請件数が前週比で1.1%減少したことを公表した。
米抵当銀行協会の経済・産業予測を担当するジョエル・カン氏は「経済が堅調であるという楽観的な見方が強まり、米国債の利回りが上昇した。これを受け、すべてのタイプの住宅ローン金利が上昇し、基準となる30年固定金利は2021年7月初旬以来の高水準となった」と述べた。住宅ローン金利が上昇したため、新規住宅ローン及び借り換えの申請件数が減少したとみられる。
54万8250米ドル以下の担保適格融資(confirming loan)の30年固定金利住宅ローンの平均約定利率は3.03%から3.10%に上昇。54万8250米ドル超のジャンボ・ローン(jumbo loan)の30年固定金利住宅ローンの平均約定利率も3.11%から3.14%に上昇している。
住宅価格の高騰が続いているため、高額ローンの申請が低額ローンの申請を上回っており、購入申込の住宅ローン平均借入額は41万米ドルに達し、2021年5月以来の高水準となっている。
新型コロナの感染拡大の影響で住宅需要が高まったことで、昨夏よりアメリカの住宅市場は過熱していた。住宅の供給逼迫が価格の高騰を引き起こし、近頃の住宅需要はもともと鈍化傾向にあったが、需要の追い風となっていた住宅ローンが上昇しているため、アメリカの住宅市場はますます落ち着いていくとみられる。
MBA住宅ローン申請指数は、米抵当銀行協会が毎週水曜日に前週分を公表しているもので、アメリカ国内における1週間の新規住宅ローン申請件数を指数化した経済指標。米抵当銀行協会による調査はアメリカの住宅ローン申請全体の75%以上に及び、住宅金融会社や商業銀行、貯蓄金融機関などが調査に回答している。
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