より良い学校のトイレ環境づくりを目指して、トイレ関連企業7社が結成して1996年に発足した「学校のトイレ研究会」は2021年3月に行った全国自治体へのアンケート調査の結果を公開し、コロナ禍において学校の「トイレの非接触化」が進んでいる現状を報告した。
「Q1学校のトイレで感染症対策として実施している項目」に関して、「手洗いの自動水栓化」が昨年の35%から53%と18ポイントもの増加が見られた。利用時の対策としては「用足し後の手洗いの励行」「手洗い用石けん等の設置」「手洗い時のアルコール消毒の実施」が大きな伸びを見せ、感染症対策が習慣化されていることが分かった。
次に「Q2学校トイレにおける感染症対策で、今後、有効だと思われる項目」についても「手洗いの自動水栓化」が80%と高い数字となった。その他、Q1の実施していることとの差が顕著なのが「小便器の自動洗浄化」「トイレ出入口のドアをなくす」「手洗い時のアルコール消毒の励行」「トイレの乾式清掃」などだった。
「Q3学校トイレの手洗い場には主にどの水栓(蛇口)がついていますか?」の問いには、築5年以上または改修後5年以上の学校の自動水栓は21%だったが、築5年未満または改修後5年未満の学校は63%、今後新築・改修予定の学校は79%と高い数字となった。「Q4廊下などにある手洗い場について今後の方針」は「自動水栓化」が35%、「アルコール製剤の設置」が33%となり、トイレ内の手洗い場に限らず、自動水栓化する意識が高いことが分かった。
最後は防災の観点から設問で「Q5学校施設が防災拠点の役割を担うために、今後優先的に改善した方がよいと思うことは何ですか」には「常設トイレの洋式化」が67%、「バリアフリートイレ」が57%と高い数字を示し、「Q6災害避難所としての役割を備えるため、今後改善が必要なこと」でも「便器の洋式化(67%)「バリアフリートイレの設置増設(66%)」の声が多く上がった。
学校は感染症が流行する状況下であっても、同時に豪雨、地震などの災害から命を守る災害避難場所としての役割も求められる。そのため、児童、生徒だけでなく多くの地域住民のために適切な備えが不可欠といえる。
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