竹中工務店(大阪市)はこのほど、耐火集成木材「燃エンウッドCLT耐力壁」(遮音仕様)を開発し、建築基準法で定める界壁(隣戸間の壁)の遮音性能に対して国土交通大臣認定を取得したと発表した。
同社が開発した耐火構造の木造部材「燃エンウッド CLT耐力壁」を改良したもので、耐火性能を持つ石こう系SL材と木で構成された「燃え止まり層」と木材の「燃え代層」に、新たに「中空層」を組み合わせることで遮音性を確保。空気層の厚さを変えることで、建築基準法に定める仕様(TLD45)と、今回認定を取得した高性能仕様(TLD60以上)が選定できる。
認定を取得したのは、2枚の「燃エンウッド」に中空層を設けて組み合わせたA(両面木現し)仕様と、「燃エンウッド」に強化せっこうボード(GB-F)を組み合わせたB(片面木現し)仕様の2種類。「燃エンウッド」と同様、耐力壁の構造部材として使用できる。これにより、建築基準法よりも高い遮音性能が必要とされる集合住宅・宿泊施設など、適用可能な建物の種類が広がる。建物の階数に関わらず木現しの壁として、さまざまな展開ができるとしている。今後、「燃エンウッド柱・梁」シリーズと合わせて年間5~10件のプロジェクトへの適用を見込む。
今後、同社は都市部の中高層を含む大規模木造建築に「燃エンウッド」を適用し、住みやすい・生活しやすいまちづくりの技術として展開していく。また、政府の推進する公共建築物等の木造・木質化に貢献し、国内の森林資源の循環を通じて環境問題の解決にも取り組んでいくとしている。
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