住宅業界には正社員3人以下で年間5棟以下の小さな工務店の数が圧倒的に多い。そうした小規模工務店を便宜上「ナノ工務店」と呼ぶ。このナノ工務店が取るべき広報戦略すなわちWebマーケティング手法について解説する。
ナノ工務店のビジネスモデルの基本は絞り込まれたニッチ層に強く訴求すること。それには「個性的な住宅のあり方を確立すること=商品づくり」が大前提だ。ありふれた住宅では発信する情報も凡庸な内容になり、ニッチ層に届かない。
情報発信に際しては、自社の住宅を分析することが大切だ。その視点を6項目に整理してみた。これらは家の良し悪しを示すものではなく、家そのものが建て主に訴求するポイントをどれだけ含んでいるかというものだ。評点が4以上、特に評点5以上の要素は積極的に発信していく。評点が不足している場合、商品づくりを再検討する。
見込み客が注文住宅の依頼先を探す際には建物の見た目から入る。初期段階で弾かれない程度の見た目が必要だ。とはいえナノ工務店は設計に注力するのは難しい。少人数体制なので代表者は営業や設計、施工管理のすべてに関わるためだ。それを補うために自然素材にこだわりたい。内装の自然素材は当たり前になってきているので、外装にも木板張りなどの選択肢をもたせたい。
もう1つ意識したいのが家事楽間取りだ。プランは理解できない建て主でも家事動線はイメージできる。この部分の取り組みについて発信しておくことが重要だ。必須なのが、その工務キーワード満載のブログを構築店ならではの特別な取り組みがあることだ。ここが最終的な差別化要因となる。この部分に力を入れて発信する。
web発信に関してよくある誤解が「性能や材料などの細かい情報を載せるとクレーマー体質のマニア客が寄ってくる」というもの。これは中途半端な情報量を体系化せずに発信しているためだ。十分な量のコンテンツがあれば家づくりの全体像が伝わるので狙った顧客と出会える。個性で勝負するナノ工務店こそ細部に至る説明が重要だ。建物(ハード)ではなく暮らし(ソフト)の話題を発信したほうが受注しやすいという話は少なくともナノ工務店には当てはまらない。
解説ブログは非常に有効
Webマーケティングの第一歩は検索対策だ。会社の存在を知ってもらうには検索時に上位に表示される必要がある。そのためにはナノ工務店ならではのニッチなキーワードが含まれた記事がホームページに掲載されていることが大事だ。
キーワードを見つけるにはコンテンツ量が勝負となる。それに適しているのはストック型メディアであるブログだ。身辺雑記ではなく、家づくりに関連することを記事にする。進行中の現場や竣工した家のことが書きやすい。
ポイントは細部に・・・・
この記事は定期購読者限定の記事です。続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン5月号/工務店ならではの広報&ブランディング P.26~』(2021年5月10日発行)に掲載しています。
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