建築技術総合コンサルティングを手掛けるNEXT STAGE(大阪市)はこのほど、戸建て住宅の施工や販売を行う住宅会社向けに、人的依存度が高かった品質基準を標準化できるアナリティクスサービスを開始すると発表した。2022年2月にSaaS型クラウド「QualiZ(クオリツ)」をリリースする予定で、建設テックへ本格的に参入する。
「QualiZ(クオリツ)」は「ヒンシツの可視化を価値に変える」をコンセプトに、本質的な施工管理の改善を効果的に実現させるとする。設計・製造・維持管理といった製造プロセスを体系化。同社のテクニカルビッグデータによって導入した各社がカスタマイズし、目指すべき品質基準を作成、設定することが可能。全社や各担当者、職人らがシェアし、基準CAD図や事例データで学びながら適切に管理・評価を行うことができる。評価結果が蓄積・可視化されることで、社内のナレッジ化をより一層促進できるとしている。
また、評価分析結果をシンプルなスコアリングに置き換えることで、各セグメントにおけるスコア分析から具体的な対処方法、回避手法を提示。事象傾向を分析し、各社の改善計画書からコンサルティング、人材育成を一貫させるプロ向け仕様となっている。
住宅建築業界では、製造工程において想定スペック通りの性能・品質が担保できているか評価する仕組みがなく、業界課題を解決するDX化についても根本的な住宅産業そのものの構造改革には至っていないとして、同社は今回のサービスを開発。約20万工程の第三者品質監査サービスで蓄積したテクニカルビッグデータを駆使し、建築現場での設計・製造・維持管理の各工程の体系化から、評価、分析、改善という製造プロセスにおけるPDCAをクラウド化した。製造に関わるあらゆるスコアリングから、本質的な課題解決と新しい価値を生み出していくとしている。
同サービスでは、製造視点からの適切な評価によって課題を抽出し、主体業務を効果的に改善していくことで、ムリ(採算工程精度)・ムダ(設計図書精度)・ムラ(品質管理精度)を正常化させ、現場生産性向上とオーナーの生涯顧客化、現場技能者の地位向上を図る。同社は、住宅の価値を高め、優良な地域事業者の増大と、利益に直結させていく本質的ベネフィットの最大化を目指すとしている。
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