積水化学工業(大阪市)は9月7日、気候変動課題の解決に資する資源循環方針とその戦略を策定したことを発表。また、2022年度を目標達成年とする環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerateⅡ」の進捗を報告した。
同社では2050年にサーキュラーエコノミーの実現を目指し、▽資源循環に資するイノベーションを推進▽事業活動で使用する非化石由来および再生材料の使用を拡大▽ライフサイクルにおいて排出される廃棄物においてはマテリアルへの再資源化を最大化―の3つのグループ方針を策定。
これまでの生産工程では、廃棄物排出量を削減するために、生産量原単位を指標として削減するよう努め、発生した端材等は原料に戻して再利用。また、廃棄物として処理する際には、エネルギーを含む再生原料として活用する処分をしてきた。
新たに策定した資源循環方針では、使用するプラスチック原料には、バイオプラスチックなどの非化石由来や再生原料の使用を拡大。生産工程でも、今まで以上に内部リサイクルを進め、施工においては現場における廃棄物の発生量を最小化するよう取り組みを推進する。さらに使用・回収段階においても、廃棄される際の分離分別が徹底できるような製品設計やサプライチェーンへの働きかけを行い、再資源化を最大化する取り組みを行う。
これらのライフサイクルで資源循環を推進していくためには、製品設計段階のイノベーションが重要とした上で、新製品の設計あるいは既存製品のプロセスを見直すことで、資源循環を加速するイノベーションとなるよう取り組みを進めていく。原料に起因する温室効果ガス排出量、廃棄物処理時に発生する温室効果ガス排出量の削減にもつながるため、脱炭素戦略としても必要なものとなり、このほかにも「スマートハイムでんき」サービスの拡大や「ZEH仕様住宅」の拡販などにより脱炭素の実現を目指していく。
次に気候変動や資源循環、水リスクといった環境課題に重点をおき、2020年度からの進行中の環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerate II」についても報告。温室効果ガス排出量の削減に関しては、自社事業所内で消費するための太陽光発電設備を設置。
さらに外部から購入する電力を再生可能エネルギー由来に切り換えるなど、再生可能エネルギーへの転換を2020年度から積極的に取り組んでおり、新たに5ケ所の太陽光発電設備を設置し、国内外10ケ所の事業所における太陽光発電設備の総発電出力は6.3メガワットに達した。
また、外部からの購入電力については、国内外8ケ所の事業所で100%再生可能エネルギーへと切り換えが完了。その結果、2020年度の購入電力の再生可能エネルギー比率は、太陽光発電設備による自家消費電力を含めて7.2%となった。
今後は2019年4月より始動している「スマートハイムでんき」の活用や、ESG投資枠400億円の活用などにより、2030年マイルストーンの前倒しも検討していくとした。
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