戸田建設(東京都中央区)は、建設中の新社屋「新TODAビル」(東京都中央区)において、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)による建築物全体評価が最高ランクの星5つおよび「ZEB Ready」認証を9月6日付で取得したと発表した。同社によると、高さ150m以上の超高層複合用途ビルにおいて、建物全体での「ZEB Ready」認証取得は国内初という。
同物件では、外壁の大部分を占める基準階外周部に大小の縦フィンを配置したほか、南北にバルコニー・庇を設けて日射負荷を抑制。高性能Low-E複層ガラスや上下別動制御の電動ブラインドなどを採用し、外皮負荷低減と有効受光の両立を図った。また、コージェネレーション設備700kW・2台を熱源機械室に設置。常用電力供給とともに廃熱を吸収式熱源機熱源、熱交換器温水熱源、職域食堂の給湯に利用し、熱の高効率運用を行う。屋上には水素蓄電設備を併用した太陽光発電パネルを配置し、その他の設備においても高効率機器を採用。消費エネルギーの大幅な削減を図るなど、「ZEB Ready」認証取得に向けた建築的・設備的取り組みを行っている。
また、外装縦フィンからの外気導入と中央吹抜部を活用した自然換気システムなど、認証取得時の数値に反映されない未評価技術も多数採用。実運用において、認証取得数値を上回る削減量達成が可能だとしている。詳細な省エネルギー計算結果は、一般社団法人住宅性能評価・表示協会のポータルサイト内ZEB事例に記載される。
「新TODAビル」は、「まちに開かれた、芸術・文化拠点の形成」「街区再編、防災対応力の強化、環境負荷低減」を目指す超高層複合用途ビルで、コアウォール免震構造を採用。地上28階、地下3階、延床面積は約9万4800m2。集会場・美術館・物販店舗・飲食店舗・自動車車庫のほか、8階から上部は1フロア当たり約2400m2(約720坪)の事務所用途となっている。
「ZEB Ready」は「ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物」で、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から、50%以上の一次エネルギー消費量を削減した建築物を示す。
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