清水建設(東京都中央区)は、同社の設計施工により竣工した、重量約1000tの大屋根を備えた千葉JPFドーム(千葉市中央区)が10月2日に供用を開始すると発表した。
同施設は、約1万m2m2、116m×93mの大屋根を備えたベロドローム(自転車競技施設)。同社が考案した新たな構造形式「リングシェル(単層張弦ドーム構造)」によって設計され、楕円形かつドーム状の大屋根の骨組を単層の鉄骨トラスで構成している。鉄骨トラスの剛性と耐力を高めるため、72本のケーブル(弦)を大屋根外周部に配置。ケーブルが鉄骨トラスの外周部と大屋根中央下部の鋼製リングを放射状に連結、緊張されたことで、鉄骨トラスが外側に広がる力を低減し、大屋根の骨組トラスを構造的に完結・独立させている。徹底した計測管理により、スパン119mに対して最大56mmの撓みに収めたという。
大屋根は球の表面を楕円に切り取った形状で、観客席と木製トラックを包み込む一体感のある内部空間を演出。千葉県最大の無柱の大空間となっている。個性的なデザインの大屋根は、高さを抑えることで、周辺施設と調和させた。
千葉JPFドームは「千葉公園活性化の先駆け」となる施設として、千葉競輪場の跡地に建設。約2500席の観客席を備え、周長250mの木製トラックは世界選手権仕様となっている。伊豆ベロドローム(同社設計施工)に次ぐ、世界選手権に対応可能な国内施設が完成したことで、日本人選手の一層のレベルアップが期待されるとしている。
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