“攻めの補助金”とも言われ、コロナ禍における国の企業支援策として注目される「事業再構築補助金」。
コロナの影響が長引く厳しい市場環境のなかで、企業による新しい事業分野への挑戦や業態転換などを後押しするために、 1社あたり100万~1億円を補助する事業だ。
このほど、第1・2回公募の採択結果が明らかになった。採択件数は第1回が 8016件で、第2回が 9336件。いずれも採択金額のボリュームゾーンは100万~1500万円で、第1回では全体の4割以上、第2回でも約5割を占める。
同補助金は「他の補助金と比較して申請内容が難解で、採択の難易度が極めて高い」(中小企業診断士・諸勝文氏)とも言われているハードルの高い事業だが、全国の工務店による申請案件も採択された。工務店を含む建設業が採択件数に占める割合をみると、第1回は 6.7%、第2回は 8.1%だった。
その内容は、企画住宅の開発やDX化による不動産事業への進出、福祉施設、飲食店、ゲストハウス、コワーキングスペースの開業など幅広い。アフターコロナへの足掛かりを築こうという戦略が見て取れる。採択された事業が、地域工務店による新分野進出のモデルケースになり得るか注目だ。
新建ハウジング最新9月10日号トップ記事では、採択を受けた工務店による活用方針や事例などを詳報しているほか、第2回で実際に採択を取った中小企業診断士の諸勝文さんには、同補助金を“手堅く勝ち取るポイント”について解説してもらっている。
同補助金については現在、9月21日の締め切りで第3回の公募を行っている。これに間に合わないという工務店にも、まだチャンスはある。経済産業省が8月31日に発表した2022年度の概算要求に盛り込み、来年度も継続する方針を決めた。先行き不透明なコロナ禍を生き抜くためにも、資金調達のひとつとして国の補助金を徹底的に活用してほしい。【栁原潤】
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