◆工務店営業、よくある課題
1)いきなりGAをみる
勘違いしやすいのは、GAができればWeb集客ができると思う方が少なくないが、ただのデータ。実際の施策を考えるのは人の頭。GAは数字を見やすくしてくれる。それだけのツールでしかない。改善策を教えてくれるツールではない。だからあくまで人の頭で仮説を立て、この部分を替えれば、もっと目標数値があがるかもしれない、仮説を立て、実践して結果をみて、検証する。次回はもっとこうやっていこうと考える。その繰り返し。
「Googleアナリティクス」(GA)は、あくまで自社ホームページに来たユーザーが、サイト内のどのページをどれだけ閲覧したか、行動分析しかできない。なぜ自社のホームページに来てくれたのかはGAではわからないし、自社に最適な集客方法を自動で教えてくれるツールではない。
サイト内の閲覧履歴をもとに、ユーザーがなぜそういう行動したのかを深堀りし、仮説を立て、試して、検証する。仮説が正しいことがわかれば、その先を発展させる。これを繰り返すことで結果的にWeb集客の勝ちパターンができる。
2)目標設定をしていない
「GA」の分析結果に触れて多くの人が感じるのが、数字の意味がわからない、ということ。これは目標設定をしていないことが原因だ。
例えば、そもそも自社ホームページにどのぐらいのユーザーを流入させたいのか。最終的に資料請求・来場予約がどのぐらいあればいいのか。各項目について、同じ業界の他社がどのぐらいの数字か。自社の目指しているのがどれぐらいの数字かを設定でき、改善すべきポイントが見えてくる。まずはしっかり目標設定してほしい。
3)俯瞰しすぎてしまう
もうひとつ「GA」の落とし穴は、結果を俯瞰しすぎてしまうこと。本来、有効な戦略を企画するためには、数字の先にある一人一人の顧客がどのように行動し、どういう経路をたどって来場予約・資料請求しているのかを読み解くことで、改善点が見えてくる。
◆バックグラウンド
新潟県生まれ。東京でシステムエンジニアとして働き、ゼネコン系のIT系子会社に入社し、インターネット広告代理店のシステム開発、ゲーム会社で自社ゲーム開発なども行い、一貫してIT畑で活動してきた。2016年に地元の総合建設会社に転職し、住宅事業部のWebプロモーション事業に携わるようになった。
当時の弊社は、イベント告知は新聞折込チラシが主体。自社ホームページがあるだけで、Webマーケティングの戦略的な情報発信はできていなかった。私が指揮統括を担って始めたことは、効果が測定できない紙広告の予算を絞り、効果測定ができるWebメディアに転換していったこと。
まずは顕在層向けに、資料請求や来店予約を目的にしたページ構成に再構築したうえで、Yahoo・Googleのリスティング広告に出稿した。またメルマガ・LINEなどで直接情報発信できる環境を整えていった。そのうえで潜在層向けに、Yahoo・Google・Facebook・Instagramなどのディスプレイ広告や大手ポータルサイトへの出稿などにも広げていった。この結果、弊社の着工棟数は、2016年の90棟に対し2019年に180棟と、3年間で受注棟数を倍増させることに成功した。
新潟工務店のWebマーケティング実務担当者の経験をもとに、自社の一次情報を踏まえながら皆様のご支援をさせて頂きたい。
古川和茂 氏
坂井建設/ディテールホーム CMO建設会社の工程管理などのシステムやゲームの開発、Webメディア運営などに携わり、2016年に故郷・新潟の坂井建設・ディテールホームに入社。Webの問い合わせを約10倍に引き上げるなど主にデジタルマーケティングを担当。現在は他の工務店の支援も手掛ける。
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