log buildは、スマートビルダーの概念を提唱しながら、人手不足が深刻化する住宅業界で「現場に行かない効率的な管理」によって生産性を高める必要性を説いている。工務店、現場監督が抱える業界共通の課題とは一体どんなところにあるのか。
中堀さんは、現在の業界共通の現場監督の課題として
❷現場監督だけしか知らない情報の非対称性がある
❸落ち着いてメールチェックしたいのに時間が確保できない
❹移動ばかりで図面チェックできない
❺多忙で段取りが後手になる
❻設計打ち合わせに入れない
を挙げた。中堀さんは現場監督の本質業務として「現場の進捗確認と発注業務や図面の整合性チェックと品質管理、職人とのコミュニケーションや打ち合わせであって、わざわざ現場に行く必要のないムダな往復も含まれている」と指摘する。
エコモは実際に、関連会社のログビルドが開発する現場管理のIoTロボット「Log Kun(ログくん)」と、クラウド上のVR空間で現場の状況を確認・共有できるソフトウェア「Log Walk(ログウォーク)」の2つを使用せずに、注文住宅を現場管理した場合、現場監督が1日に消費する移動時間について、昨年自社で調査した。その結果、8時間業務の中で移動に費やした時間は約3.5時間も占めていることがわかった。
またログビルドが全国の工務店100社に電話や対面、オンラインなどによるヒアリング調査を実施したところ、現場監督が最低でも1物件につき平均43回、最高で60回現場に出向いていることが判明した。移動時間は片道45分として計算すると75時間~90時間に上る。同調査を踏まえ、エコモでは現場監督の業務の棚卸しを実施し60項目に分類、そのうち47項目は現場に行かずにリモートによる遠隔で管理することが可能だとした。
中堀さんは「少数精鋭の工務店こそ無駄を省きながら生産性を高める必要がある。現場に行く無駄な時間を削減して、現場監督の本質的な業務の質を向上させる時間に充てるべきだ」と述べる。
こうした問題意識をふまえた上で、次項では「スマートビルダー」を実現するには欠かすことのできない、ログビルドが開発する現場管理のIoTロボット・ログくんと、クラウド上のVR空間で現場の状況を確認・共有できるソフトウェア・ログウォークについて解説していく・・・・・
続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン/コロナで見えてきたスマートビルダー&スマートハウス P.36~』(2021年7月30日発行)に掲載しています。
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