竹中工務店(大阪市)は、このほど2021年度(第84期)中間決算概要及び当期業績見通しを発表した。同社のグループ連結業績は、売上高が前年同期比で5.8%減の5960億円、営業利益が3.8%減の212億円、経常利益は6.7%増の276億円、中間純利益は3.1%増の190億円となっている。
一方、同社単体での実績は、売上高が6.4%減の4709億円、営業利益30.2%減の139億円、経常利益17.5%減の203億円、中間純利益29.9%減の145億円と軒並み減益。昨年度の決算時と同様、未だに厳しい状況が続いている。
国内の建設市場においては公共投資が堅調に推移しているとしながらも、新型コロナの影響によって景気の不透明感が続き、民間の設備投資は減少傾向が続いているとした。また、海外の市場においては、一部で経済活動の正常化に向けた兆しがみられるとしながらも、ワクチン接種の状況や活動制限の緩和状況には地域間でばらつきがあるため、当面注視していく必要があるとしている。
新型コロナによる影響や、東京五輪需要後の競争激化などの外的要因などによって経営環境の悪化を見せている。2021年2月26日、同社が発表した2020年12月期連結決算では、売上高は前年同期比で8.5%減の1兆2377億円、経常利益は47.5%減の469億円、最終利益は55.7%減の305億円を計上し、2年ぶりの減益であった。
主に新型コロナの影響によって、改修工事の案件が消失していることや、東京五輪による需要が落ち着いたことを受け、新規案件の受注競争の激化によって、大型案件受注に苦戦している。
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