住宅・不動産企業向けのコンサルティングを行うエスイーエー(新潟県上越市)代表の加藤善一さんは、脱炭素社会への潮流、頻発する自然災害、高騰する電気料金など、「時代と社会の方向性から住まいのあり方を考慮すればスマートハウスしかないということが明確に示されている」と語る。スマートハウスは、エネルギーを自給しながら、家庭内の冷暖房設備、照明器具、調理器具など電気を使用する機器を「HEMS(ヘムス)」によって従来の見える化から制御化することで、エネルギー消費を最適化して省エネ、CO2排出削減を目指す住宅を指す。加藤さんは「それに加えて、災害から家族の暮らしを守る高い防災性能を備え、さらには長期にわたって資産価値を保ち続け、真に健康で快適に豊かに暮らすことができる住宅」と定義する。
エスイーエー代表。
内閣府日本住宅性能検査協会認定再生可能エネルギーアドバイザー、ZEH推進協議会賛助会員。建築・不動産業の経営を経て、住宅・不動産業のコンサルタントに。2013年にエスイーエー創立。著書に『損せず、心地よく暮らしたいなら「デジタル・スマートハウス」はどうですか?』(ザメディアジョン)…
「Smart2030 零和の家」 実棟モデルをオープン
エスイーエーは今年5月末、加藤さんが定義するスマートハウスを具現化したモデルハウス「Smart2030 零和の家」を上越市内にオープンした。加藤さんは、同モデルハウスを拠点に、全国の地域工務店によるスマートハウスへの取り組みを活性化したい考えだ。
「大手ハウスメーカーは、すでに独自の技術でスマートハウスを標準化しつつあり、同時にHEMSによる実測データの収集・分析、高い資産価値を備えるスマートハウスの中古(再)流通の仕組みの構築など着々と進めている」と指摘し、「これに対し、地域の工務店による取り組みは圧倒的な遅れをとっており、脱炭素化や防災に対する生活者の意識が高まっていくなかで“致命傷”になりかねない」と訴える。完成したモデルハウスを、意欲ある工務店に対して積極的に開放していく方針で、それにより地域の工務店によるスマートハウスの普及を目指す・・・・・
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続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン/コロナで見えてきたスマートビルダー&スマートハウス P.58~』(2021年7月30日発行)に掲載しています。
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