鹿島建設(東京都港区)は8月26日、首都直下地震など最大級の地震を想定したBCP訓練を全社一斉に実施した。本社と首都圏4支店(関東、東京土木、東京建築、横浜)では午前9時に、埼玉県さいたま市を震源とするM7.5、最大震度6強の地震が発生し、周辺地域では甚大な被害が発生したと想定。停電・断水の発生、公共交通機関停止、主要道路は車両通行規制などの状況下でも、社会インフラの復旧や顧客対応を早期に開始すべく、関東支店を他の3支店が支援する体制で輸送方法・ルートの検討、人員・重機・物資の手配などを訓練した。
今回の訓練では、震災発生後、いち早く復旧活動を始めるためには、まず社員が家族の安否確認を迅速・確実に行い、復旧活動に専念できる状況を作ることが必要として、社員各自が災害時における「家族との連絡手段」を第3順位まで決めた上で、実際に連絡を取り合った。また、社員だけでなく、社外の人材や国内グループ会社に所属する約2万4千人を対象とした「従業員安否システム登録訓練」も全社一斉に行った。
一般電話、携帯電話による音声通話が不可能となり、インターネット、メール、携帯メール、携帯WEBは通信速度が低下するといった通信網の障害発生も想定し、日頃使っているオンライン会議ツールが使えなくなった場合に備え、代替手段としてZoomを利用した各拠点や部署間での情報共有の訓練も行った。
同社は今後も、災害発生時に起こり得るあらゆる事態を想定した実践的な訓練を行うことにより、事業継続力を向上させ、社会全体のレジリエンスに貢献できるよう建設会社としての使命を果たしていくとしている。
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