LIXIL(東京都江東区)が、先月末に発表した2022年3⽉期第1四半期の決算短信では、売上高、経常利益、最終利益ともに昨年度を上回る結果だった。事業利益と最終利益は、同社の第1四半期決算結果としては、過去最高益を記録した。決算内容については、新建ハウジングDIGITALで8月17日に詳報している。
同社がコロナ禍において、増収増益を確保した要因はどこにあるのか。ここでは、決算説明会の中で、質疑応答に答えた瀬戸欣哉社長のコメントから探っていく。
LHT事業(LIXILハウジングテクノロジー事業)の第一四半期売上高は、1148億円(昨年1173億円)とマイナス25億円を示すものの、事業の体質強化施策やリフォーム商品が売上を伸ばした。全社の売上高および増益に貢献したLWT事業(水回り事業)では、2106億円(昨年1655億円)と、451億円の増収。事業利益は237億円(昨年30億円)だった。
瀬戸社長は、LHT事業について「リフォームが増えた。これが非常に重要で、過去にリフォームというと日本の場合は水回りだけというのが普通だったが、今は環境の問題とかで窓とか外壁の興味が増えてきた。なおかつ自然災害が増えてきたことでシャッターといった需要が増え、リフォーム比率が上がって、利益率にプラスになった」と説明。
さらに「我々にとって重要なイシュー、パブリックイシューとして『環境改善のための窓』っていうのをアピールしていく必要がある」と方向性も話した。その他、利益を取れない事業の見直しなどの事業改革やコスト改革が身を結び「これらで大きく改善できた。ファンダメンタルな部分なんで、強くなったと思っている」と手応えも口にした。
一方、LWT事業に関しては「全ての商品がよくなっているが、ヨーロッパとアメリカが良かった。消費者のマインドという面でもここは大きく期待できる分野。商材そのもののバラエティーを増やしてきたポートフォリオマネジメントが効いてきたということはあると思う」と明かした。
「リフォームは国内で一番重要な戦略」
今後のLHTのリフォームの勢い、持続性については「リフォームは国内では一番重要な戦略」とキッパリ。国策としてカーボンフットプリントを減らしていくことに触れ、「少なくともスコープ3において減らしていくとなると、窓、外壁は最大のポイント。日本全体で見て40%のエネルギー消費が建物で、その中で一番失っているところは窓」と強化するポイントを挙げ、「我々はその窓に関して、今後、対策商品を出していくので、さらにここは伸ばしていけると思っている。国策にも合っているし、世の中の流れにも合って商品を出していけるところは我々持続的な成長を続けていけるんだろうと考えている」と今後の戦略を語った。
「コロナやウッドショックで、かなり減る思ったが、そこまで減ってない」
現在の市場環境や消費者マインドについて聞かれると、国内については「新築(受注)がダラダラと減っていく中で、今回コロナとウッドショックがあって、かなり減るかなと思ったが、そこまで減っていない。むしろ郊外に行く人のための新築も出てきていることもあって、去年より悪くないと見ている」とうれしい誤算。海外は「アメリカを中心に非常に強い。少なくともリモデルに関してはかなり先のものまでコミット受けているので数年はいい状況が続くと思う」と自信満々だった。
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