近年、蒸暑地域で高断熱高気密が広がっている。それにより、蒸暑地域でも早期に内部結露が判明する事例が増えている。早いケースだと引き渡し後1年目でカビなどにより、内部結露が顕在化する。高断熱高気密の技術指導で知られる住まい環境プランニングの古川繁宏さんに、結露防止のポイントを取材した。
躯体を濡らさず、乾燥を促進
結露を防ぐ基本は住宅内に水蒸気を閉じ込めないことと、建物内に露点に達する温度を生じさせないことだ。前者は工事中から配慮が必要になる。高断熱高気密住宅は建てているときから気密化される。基礎や躯体が濡れると水分を閉じ込めてしまうことになり、引き渡し後の早い時期に結露を引き起こすことがある。
基礎コンクリートは打設後に養生をして雨水に濡らさないようにする。その上で日差しを当てて乾かす。基礎断熱の場合、基礎内に水をためてはならない。ためた場合は排出してから建て方を行う。建て方後は躯体に雨養生を施すため水が排出しづらい。また土台敷きの前には基礎天端の水分を十分に拭き取る。
同様に建て方後の躯体を雨ざらしにするのも厳禁だ。建て方直後からシートで躯体全体を包んで養生する。透湿防水シートを張り終わるまではまめに養生を行う。基礎は建て方後も乾燥を促進させる。基礎断熱の場合、外周部以外の大引には基礎パッキンを噛ませて通気を取る。昨今の現場では建て方直後に床合板を張って床下を密閉する。打設直後の基礎コンクリートは多くの水分を含むので、床下が密閉されると高湿になり、結露のリスクが高まる。床合板をすぐに張らずに一定期間、床下の通気を確保する。
グラスウールの施工時にも湿度に注意する。・・・・・
【残り5460文字、写真44点、図面18点】
続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン/暮らしをアップデートする高性能住宅 P.60~』(2021年3月30日発行)に掲載しています。
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