住宅リフォームを主力とした安江工務店(名古屋市)は、このほど2021年12月期第2四半期決算短信を発表した。1月から6月期の連結決算は、売上高が前年同期比で38%増の31億円、営業利益6000万円(昨年同期は▲8300万円)、最終損益は2700万円の黒字となっている。前年同期には最終損益6900万円の赤字を計上した同社だが、新型コロナウイルスで落ち込んでいたリフォーム需要が回復基調を見せたことが影響した。また新築住宅も堅調に推移したことも黒字化達成に寄与している。なお、同社の売上高および利益は、ともに第2四半期としては同社上場以来の過去最高実績となっている。
同社の売上高別にみた事業構成比率は、住宅リフォーム事業が75%、次いで新築住宅事業が16%、不動産流通事業が9%となっている。
住宅リフォーム事業においては、国内の住宅リフォームの需要回復が実績に大きく寄与。大型工事の受注が堅調に推移し、受注平均単価が上昇した。また期中に開設した2店舗(豊橋店、御器所店)の集客が好調であったことから、売上高は23億1000万円(前年同期比40.4%増)を記録している。子会社の増加に伴う人件費や広告宣伝費、のれん償却費などが増加した一方で、増収やコスト削減により、同事業における利益は3200万円となった。
新築住宅事業においては、完工引渡しが計画通りに進んだことにより、売上高は4億6000万円(前年同期比6.4%増)、セグメント利益は2300万円(前年同期比46.5%増)となった。同社オリジナル建材である「無添加厚塗りしっくい」やコーラルストーンなどの自然素材を活かし、デザイン性や機能性を高めた4つの注文住宅ラインナップを揃え、他社との差別化に注力している。また、オンラインでの打ち合わせや完成見学会・構造見学会など、ITを活用し営業活動の効率化にも取り組んでいる。
不動産流通事業では地域密着型の強みを活かし、良質な小規模分譲地の仕入れを強化。自社での新築注文住宅や新築分譲住宅用地として活用するなど、事業間のシナジー効果を発揮した。また、買取再販物件には同社の強みであるリノベーション・デザインリフォームをコーディネートして提案するなどしている。同事業の業績は、不動産市況の回復に伴い保有物件の売却が進んだことにより、売上高は4億2200万円(前年同期比79.6%増)、セグメント利益は400万円となっている。
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