アサノ不燃(東京都江東区)このほど、地震や火災にも強い木造の耐震・耐火シェルター「グラセーフ」を開発したと発表した。
国立研究開発法人土木研究所での耐震・振動実験では、阪神淡路・東日本・熊本の地震動を再現した場合にも倒壊しないことが確認された。また、ISO基準による耐火性能試験においても、同社の木材不燃化処理「セルフネン」技術により、1000℃での1時間耐火性を確保。延焼せず煙や有害ガスを抑える新技術で、木造住居密集地でも周辺への延焼を防止するという。
同商品は木造家屋の1階に設置する。既存の部屋の床を撤去し、家と分離して設置するため、地震時の強度には影響しない。同シェルター内には生活設備の設置で2日ほど滞在できる。和室6畳間を想定しているが、セミオーダー生産のため部屋のサイズに合わせて製造でき、建物外にも対応可能。参考価格は250万円から(運搬・組立・内装・設置工事費は別途)。オプションとして間仕切り壁や電気・照明、簡易トイレなども設置可能。
新たな大規模地震のリスクを抱える日本社会において、命や財産を守る手助けをしたいという社会貢献への使命感から、同社独自の木材不燃化技術を活用した同商品を開発。日本古来の防災対策の知恵=堅牢な「蔵」+「Safe(安全な)」の造語から名付けられた。
同商品は、工務店・設計事務所を通じて販売していく。現在販売パートナーも募集中。災害対策という社会利益に貢献しながら、新たな消費者ニーズに応えることで、収益アップと顧客満足につなげることができるとしている。
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