伊藤忠商事(東京都港区)と東京センチュリー(東京都千代田区)はこのほど、分散型電源や関連機器のサブスクリプションサービスを提供するため、共同で合弁会社「IBeeT(アイビート)」(東京都千代田区)を設立した。出資比率は両社50%ずつ。
サービス第1弾として、伊藤忠商事が提供する家庭用蓄電システム「Smart Star」シリーズを、初期費用無料および月々定額で各家庭にリースするプラン「Beeフラット」を9月から開始する。契約期間中の定期メンテナンスサービスのほか、製品保証(10年)の5年延長、AIソフトウェア「GridShare」による最適充放電サービスなどもパッケージで提供。契約期間満了後には、蓄電システムを無償譲渡するという。
IBeeTは、将来的にEVリユース電池を活用した中・大型蓄電システムや、業務用蓄電池、太陽光パネル、EV本体及び関連機器等のサブスクリプションサービスの提供も視野に入れている。同サービスを通じて、保有する分散型電源から生み出される余剰電力を相互に融通するなど、効率的な分散型電源プラットフォームの早期構築を図るとしている。
伊藤忠商事が販売する「Smart Star」は、NFブロッサムテクノロジーズ社と共同で開発・販売する家庭用蓄電システム。全負荷型蓄電池として、停電時に全ての電気を利用できる。また、各家庭の電力需要パターンを人工知能(AI)で学習し、太陽光や深夜の安い電力を活用した蓄電池放充電の最適化を実現。累計販売台数は6月末時点で4.5万台(約450MWh)を突破している。
蓄電池市場では、再生可能エネルギーの普及や自然災害に対するレジリエンス向上・停電対策の観点から、家庭用蓄電システムや中大型の蓄電システムのニーズが拡大すると予測されている。IBeeTは、同サービスを提供することで、需要に対応し市場導入の促進を目指す。
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