建て主の間で耐久性のニーズが高まっている。この流れに工務店はどのように対応すべきか、そのための課題は何か、営業にどう結びつけるか。多くの工務店の指導で知られる松尾設計室の松尾和也さんに話を聞いた。
住宅に求められる要素は多様だが、性能面では構造と断熱、耐久性の3大要素が非常に重要だ。この3つは相互に関連している。構造性能が低い建物は地震や台風時の挙動が大きく、防湿気密層が早期に劣化する。それは内部結露のリスクを高め、断熱性能の低下や躯体の腐朽につながる。躯体が傷むと構造性能が保てなくなる。3大要素のどれが欠けても幸せな家づくりにならない。
3大要素を満たすにはコストも手間も掛かる。その割に受注につながらない。これが業界の定説だった。だが、顧客のニーズは急速に変化している。住宅メーカーの営業担当が外壁のメンテナンス費用と周期を中心とした耐久性を強調していることが影響している。その空気を察した住宅系ユーチューバーも耐久性に関する発信を増やしている。
これからは3大要素のバランスが取れていることが見込み客からの一次審査になる。競合が少ない地方だとそれが最終審査になることもある。一方で木造住宅の耐久性に関する知見は体系化されていない。数少ない研究者も実務者との接点が少なく、情報が共有されていない。実務においても構造や断熱のように学びの場がなく、建材メーカーのカタログ頼みとなっている。この分野でも新住協や構造塾のような実務者が切磋琢磨する場が求められている・・・・・
【残り1227文字、写真3枚】
続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン/暮らしをアップデートする高性能住宅 P.50~』(2021年3月30日発行)に掲載しています。
※下記オレンジ色のバナーより購読申し込みをいただくと、すぐに電子媒体で続きをお読みいただけます。
新建ハウジングは郵送でお届けする新聞とともに電子版もお試しいただけます。
新建ハウジングとは
・【松尾和也】太陽光発電も含めた設計の最適化手法
・【松尾和也】「施工事例の写真集だけで判断される時代」
・【松尾和也】「チェックリスト」と 「自社専用の引渡時説明資料」はありますか?
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。