米国商務省国勢調査局は8月18日、アメリカにおける7月の新設住宅着工件数が153万4000件であったことを公表した。
前月(165万件)比で7.0%減少した。5月・6月は前月比で増加していたため、2ヶ月ぶりの減少となった。前年同月の新設住宅着工件数は149万7000件で、前年同月比では2.5%増加した。6月の新設住宅着工件数は前年同月比で29.1%増加していたため、住宅市場における供給には、明らかな落ち着きが見られる。
在宅勤務時間の増加や低い住宅ローン金利が住宅需要・リフォーム需要を急激に喚起したことで、昨夏よりアメリカの住宅市場は混乱に陥っていた。建設コストが上昇したことによる住宅価格上昇の影響で需要は鈍化してきたが、供給は依然として逼迫していると言える。建設許可を得たものの着工していない一戸建て住宅の件数が14万5000件、建設中の一戸建て住宅の件数が68万9000件と、いずれも高水準。供給側の課題の解消には、もう少し時間がかかりそうだ。
公表された統計に関するその他の情報は、以下の通り。
・6月の新設住宅着工件数は、7月20日に公表された164万3000件より僅かに上方修正され、165万件
・一戸建てに限定すると、新設住宅着工件数は前月比4.5%減の111万1000件。集合住宅(5世帯以上)の新設住宅着工件数は41万2000件で、前月比で13.6%減少
・地域別の新設住宅着工件数を見ると、南部以外の三つの地域において前月比で減少しており、特に北東部ではマイナス49.3%と大幅に減少
・住宅完工件数は前月比5.6%増の139万1000件。現在の供給逼迫の解消のためには、150〜160万の完工件数が必要であると見られているため、在庫不足の解消には至っていない
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