国土交通省、経済産業省、環境省の3省合同「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」が示したとりまとめ案に、住宅業界関係者らはNOを突きつけた。
「中小工務店はやる気なのに、国交省は何に遠慮しているのか」「耐震・断熱性能をきちんと押さえるべき。国の基準が不十分。他国と比較して隙間相当面積の復活や断熱基準を見直してほしい」「ZEH義務化など、工務店にとっては技術的に少しの障壁もないのに、あたかも中小工務店の技術レベルが低く義務化できないなどと言われては悲しい」―。
新建ハウジングはこのほど、全国の住宅関連事業者を対象に、あり方検討会が示した「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方(案)」について意識調査を実施した。
その結果、71.4%が、NDC46%(2030年温室効果ガス削減目標)や2050年カーボンニュートラルを実現するための策としては「不十分である」と回答。より高い水準の対策を求める声が多数挙がり、上記コメントが寄せられるなど、省庁と業界のずれを実感させる結果となった。
住宅の省エネ基準適合義務化も「2025年では遅すぎる」との意見が多数を占めている。2年前倒しの2023年や、1年早めた2022年からの義務化を望む声も多いが、「今日から」「2021年」と即時義務化を強く主張する声も多かった。
少数ではあるが、急激な脱炭素化施策を疑問視する見方もあった。
本紙最新8月20日号トップ記事では、工務店やビルダー、住宅メーカー、リフォーム事業者、商社や建材メーカーなどを対象に実施した詳細なアンケート結果を取り上げている。「案」について、ただの批判ではなく、具体的な要求や提案も多く寄せられ、住宅業界が望む施策のあり方が垣間見える。【栁原潤】
新建ハウジングは郵送でお届けする新聞とともに電子版もお試しいただけます。
新建ハウジングとは
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。