エヌ・シー・エヌ(東京都港区)は、8月13日に2022年3月期 第1四半期決算短信を発表した。同社の売上高は昨年同期比8.1%増の16億500万円。一方、営業利益はマイナス20.3%の2600万円(前期3300万円)、経常利益はマイナス26.2%の1900万円(前期2600万円)、最終利益は32.5%増の1100万円(前期800万円)となった。経常利益はマイナスを記録しているものの、全事業全分野で売上高は上昇している。
同社は、全般的に新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う営業活動自粛の影響があったとしながらも、2019年7月から20ヶ月にわたって下落傾向にあった新設住宅着工戸数は、2021年4月に7.1%増と好転、翌月以降も回復基調にあると説明。一方で、アメリカや中国での木材需要増に端を発したウッドショックなど、新たな懸案事項が発生しているとした。経常利益は、成長分野と位置付けた木構造デザインのプロモーション活動とBIM事業の人員増強が計画通りに進んだことによる販管費の増加が要因とした。
木造耐震設計事業における売上高は15億2600万円と昨年同期比で7.9%の増収。住宅分野では、SE構法の出荷数が344件(前期比2.8%減)となった一方、「重量木骨の家」は堅調に推移したことをうけ、売上高は13億7000万円(前期比7.6%増)となっている。住宅分野は緊急事態宣言の発出やウッドショックの影響はあったものの、木材を安定的に供給し納期遅延を最小限に留めたことで、出荷数減自体は微減で収束させた格好だ。また、木材の安定供給を背景に登録工務店の新規加入数が15社となった。新規加入社もあわせると、現在同社の登録工務店は計555社となっている。
大規模木造建築(非住宅)分野は、SE構法出荷実績が11件(前期比22.2%増)、売上高は1億5600万円(前期比10.2%増)となっている。同事業は新型コロナウイルス感染症の影響はあるとしつつも、公共工事などが再開されたことによって、SE構法出荷数は増加を示した。
その他の事業では、売上高7800万円を計上。昨年同期比で12.7%の増収となった。貢献度の高かった事業は省エネ計算サービスで、売上高は昨年同期比32.9%増となっている。省エネ計算サービスでは、省エネ計算結果データに顧客向けの解説を加えた『省エネルギー性能報告書』の発行を実施。省エネ計算結果の“見える化”を行うとともに、SE構法とのシナジー効果を活かして戸建向け案件に注力した。
なお同日、2022年3月期通期についての連結業績予想も発表。売上高は前期比14.5%増の73億6500万円、営業利益28.6%減の2億200万円、経常利益20.4%減の2億5700万円、当期純利益が11.1%減の2億円としている。
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