室内と庭を結ぶ中間領域を住まい手に活用してもらうには、窓まわりの設計が非常に重要だ。窓とデッキの組み合わせ方からデッキと庭のなじませ方、窓まわりのディテールなどについて、Mアトリエの岡村未来子さんの設計手法を紹介する。
開放的な暮らしには大きな窓が不可欠だが、窓を生かすにはプライバシーが守られていることが前提となる。周囲からの視線が気になると、大きな窓を設けてもカーテンが閉じっぱなしになってしまう。外部からの視線を制御するのに最も有効なのは樹木を植えることだ。植栽は視線を制御するだけでなく室内からの眺望を整え、自然と外を眺めたくなる。
樹木を植える際にはつながりを意識する。1本だけ植えても鉢植えのようで世界観がつくれない。高さ3m程度の中木を3本は植えたい。さらに5m程度の高木を1~2本植えられると庭の完成度が一気に高まる。コストにはなるが、それだけの価値はある。
中・高木には低木やグランドカバーを絡める。グランドカバーは多種多様だが、タイムなどのハーブ類やセダムなどの多肉植物は環境に適応しやすい種類が多く、採用しやすい。建て主の好みによっては芝庭とすることもある。
グランドカバーは時間が経つにつれて雑草が生えてくる。嫌いな草だけ抜くようにすれば、それほど手間を掛けずに自然な雰囲気が保てる。・・・・・
【残り1412字、写真27枚】
続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン11月号/工務店がつくる 心地いい庭 遊べる庭』(2020年10月30日発行)に掲載しています。
【関連記事】
・【荻野寿也】「庭のない家づくりは考えられないですよ」
・【甲斐徹郎】「商品価値」から「経験価値」を提供する時代に
・「庭のある暮らし」提案強化の動き加速 外構・造園のノウハウ提供、コロナ禍でFC加盟急増 -GARDENS GARDEN [東京都品川区]
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。