創業から自社設計と社員大工により、全棟手刻みの家づくりを行っている各務工務店(岐阜県八百津町)では、同社に憧れて入社した10代〜20代の大工3人が日々腕を磨く。社長の各務博紀さんは、知識・技術と「人間性」を兼ね備えた大工育成に取り組みながら、「伝統を守るだけでなく、仲間と共に新しいことにも チャレンジして地域工務店の灯をともし続けたい」と意欲を燃やす。
地区内唯一の工務店
同社は、四方を山林に囲まれた八百津町の久田見地区にある唯一の工務店だ。二代目の各務さんの父・邦敏さんが創業して以来、自社設計と社員大工が手刻みする地元材「東濃ひのき」を用いた家づくりを貫く。
「20年以上前は、この地域でも10社を超える工務店があった」と各務さん。だが、近年、職人の高齢化や大工のなり手不足の影響などもあり廃業が相次いだ。
各務さんは、自社が地域で生き残ったことについて「特別なことはしていない。時代に迎合せず、手しごとを継承し、自分たちのやるべきこと、やりたい家づくりを愚直に続けてきただけ」と語る。・・・・・
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