冬にはたくさんの雪が降り積もる新潟県阿賀野市にある宮﨑建築は、明治から続く大工の家系の四代目の宮﨑直也さんが、妻の康子さんと信頼を寄せる大工と3人で営む小さな工務店だ。その小さな工務店がつくる「あったかい家」が、地元の人たちに喜ばれている。「家は寒いもの」と思っていた人が、暖かくて快適な家に驚きながら、そこでの暮らしを楽しむ姿を見ることが、より良い家づくりを追求する宮﨑さんの原動力になっている。
(2020年8月30日発行の新建ハウジング別冊「がんばる地場工務店特集」より転載)
コロナの外出自粛期間も「ストレス感じなかった」
宮﨑さんは最近、1年半ほど前に引き渡したオーナー宅をひさしぶりに訪ねたところ、家族から「家は快適だし、子どもたちは庭で遊べるし、コロナの外出自粛期間もほとんどストレスを感じなかった。家ができてからは家で過ごすのが楽しくて外食もあまりしなくなっていたから、外食ができないことも全然気にならなかった」との言葉をかけられ、感謝されたという。「つくり手冥利に尽きる。すごくうれしかったし、自分の家づくりへのこだわりが報われたように感じた」と宮﨑さん。これからも地道にいい家をつくり続けていこうと改めて決意を固めた。
寒冷地で積雪も多い地域で、暖かくて経済性(省エネ)にも優れる家をつくっていこうと決めたのは9年前の東日本大震災がきっかけだ。「なぜ、震災が自分の決心につながったかは自分でもわからないが、被災地の光景をテレビ越しに見たとき、とにかく『いい家をつくらなきゃ』といてもたってもいられなくなった」と振り返る。
震災の直後に、新住協(新木造住宅技術研究協議会)が提供する外皮性能や暖冷房エネルギー消費量が計算できるソフト「QPEX」を購入し、快適で省エネ性能が高い家づくりを突き詰めていく方向へ踏み出した。・・・・・
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続きは、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン/がんばる地場工務店 P.12~』(2020年8月30日発行)に掲載しています。
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