米国商務省の国勢調査局(U.S. Census Bureau)は7月末に、アメリカにおける6月の新築住宅販売件数(New Home Sales)が67万6000件であったと発表した。
6月の新築住宅販売件数は、前月比で6.6%減少。前月比で減少したのは、これで3ヶ月連続だ。新築住宅販売件数が70万件を割ったのは、2020年5月の68万2000件以来13ヶ月ぶり。
前年同月の新築住宅販売件数は83万9000件で、前年同月比では19.4%の減少。前年同月比での減少は2020年5月以降初めてで、加熱していた新築住宅需要の冷え込みが浮き彫りになった。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、在宅時間の増加や低い住宅ローン金利が新築住宅市場の追い風となっていた。しかし、住宅需要の急激な増加がウッドショックを引き起こし、昨夏よりアメリカでは材木価格が暴騰。建設コストの上昇が供給の逼迫に繋がり、住宅価格が上昇したため、住宅需要は鈍化の兆しを見せている。
新築住宅販売件数は、米国商務省国勢調査局が毎月公表している、アメリカにおける新築住宅の販売件数だ。四つの地域(北東部・中西部・南部・西部)別の販売件数や、価格帯別の販売件数、販売価格の中央値等も同時に公表される。
景気の変動に先行して動きを見せる「先行指標」の一つと考えられており、先の景気・経済動向を予測する材料となるため、市場の注目度が高い。
米住宅関連指標に、同じく米国商務省国勢調査局により集計されている「新設住宅着工件数(Housing Starts)」があるが、新設住宅着工件数が供給に関する統計指標であるのに対し、新築住宅販売件数が需要に関する統計指標であるという点で異なる。
公表された統計に関するその他の情報は、以下の通り。
・地域別の新築住宅販売件数を見ると、中西部以外の三つの地域において前月比で減少しており、特に北東部ではマイナス27.9%と大幅に減少
・住宅販売価格の中央値(Median Sales Price)は36万1800米ドルで、平均値(Average Sales Price)は42万8700米ドル。価格中央値は前月比で5%減少したが、前年同月比では6.1%上昇
・住宅在庫(New Houses For Sale)は35万3000件で、前月(33万件)から増加しており、供給が需要に対して相応なものになりつつあることを示唆
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