ダイニチ工業(新潟市)は、カセットボンベを燃料とした「熱電発電システムを用いた自律ロボット」を開発し、福島県双葉郡大熊町(帰還困難地域)にて実地走行テストを実施した。
同システムの開発は、東京大学、産業技術総合研究所、KELKと共同で実施。熱電発電とは、熱エネルギーを電気に変換する技術をいう。ダイニチ工業によると熱電発電システムを用いて自律ロボットを駆動する技術は日本初だといい、同システムの発電量は、可搬型としては日本最高レベルの70Wを達成したという。
自律ロボットの用途としては、狭小空間や危険地区など、人が入れない場所の探索を想定。無人型かつ長時間走行が可能なため、従来のリチウムイオンバッテリー搭載ロボットよりも探索範囲の拡大が期待できるという。なお、リチウムイオンバッテリーを搭載したロボットと比較した場合、同じ時間駆動させる際に必要となるカセットボンベの質量はリチウムイオンバッテリーの2分の1だという。カセットボンベは軽量のため、本数を増やすことで駆動時間を伸ばすことができる。
実地走行テストでは、1.8kmの道路をおよそ1時間20分かけて自走。ロボットには線量計を搭載し、周囲の放射線量を測定・記録した。
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