ジェクトワン(東京都渋谷区)は、千葉県松戸市を拠点にDIY可能賃貸やシェアアトリエによる空き家再生とまちづくりに取り組むomusubi不動産(運営会社:トノコーポレーション、千葉県松戸市)と築46年の世田谷区の空き家物件をリノベーションし、曜日がわりのシェアカフェ「ナワシロスタンド」として8月1日、オープンした。
「世田谷区の空き家対策」と「店舗開業を目指す人のチャレンジを応援すること」を目的に、空き家活用サービス「アキサポ」を手掛けるジェクトワンと、千葉県松戸市でシェアカフェ「One Table」を企画・運営するomusubi不動産が連携。それぞれの知見とノウハウを生かしたリノベーションを実施し、ゆくゆくは店舗を持ちたい人やさまざまな場を渡りながら出店する人などが、ステップアップしていくための拠点として活用する。運営はomusubi不動産が行う。
同施設は、月曜から日曜まで店主が変わる形態のシェアカフェとして運営。ここから独立して実店舗を持ちたい人には、omusubi不動産が物件探しから出店準備までサポートする。1階のキッチンスペースから、客席として利用できる2階スペースも含めた一棟貸しでの料金形態のため、カフェとイベントなどの同時利用も可能。シェアスペースを生かしてさまざまな企画やアイデアを実現できるという。
「ナワシロスタンド」の名称は、田んぼに植える稲の苗を育てる「苗代」(ナワシロ)からとったもの。時間をかけて苗が育ち、田植えをすることで稲やお米になっていく状態が、このスペースを利用する出店者のイメージに近いことから名付けられた。コロナ禍により飲食業界の苦境が続く中、店舗開業を目指す人のチャレンジを応援する場として活用していくとしている。
総務省の2018年の調査では、東京都の空き家件数は80万9900戸、そのうち世田谷区は4万9000戸で、都内で最も空き家件数が多い地区という。ジェクトワンは都心部の空き家対策に積極的に取り組んでおり、世田谷区では今回の「ナワシロスタンド」のほか、2020年10月に20年間空き家だった築60年の物件を飲食店連動型のコンセプトシェアハウス「b.e.park(ビー・パーク)」(東京都世田谷区)として再生している。同社は今後も、世田谷区をはじめとする都心部の空き家問題の解決に向けて、積極的に空き家活用に取り組んでいくとしている。
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