藤城建設(札幌市)は、分譲建売専門店「土地が先か、家が先か。」、通称「トチイエ」を8月にオープンする。
札幌市の住宅地の平均地価が8年連続で上昇するなど、札幌近郊の地価上昇が続いていることを背景に、昨年頃から予算オーバーにより土地探しの状態で滞留する顧客が30組以上に増加しているという。さらに、コロナ禍によって土地の売却が進まずに需要過多となっている札幌近郊では、顧客が単独で土地取得に至るのは困難であると考え、4月から自ら土地を仕入れ、先に良い土地を用意する動きを開始した。創業29年の実績と不動産会社との信頼関係によって、土地の情報を収集し、ウッドショックの影響による建物価格の値上げや工事中断への不安感から、建売住宅に限定しているという顧客の声に対応。ホームページも新設し、エンドユーザーに土地と建売住宅の情報をわかりやすく提供していく。社内においても土地の仕入れや建売の設計、販売を専属化することで、情報の集積と業務効率化を図る。
同社は、6月までに自社土地として札幌近郊に土地約20筆を用意。このうち約半数は1カ月以内に購入希望の動きが出た。また、自社土地から建売住宅4棟を販売したところ3棟が契約。7月10日に販売を開始した建売住宅は、予約枠が満員になるほどの反響があったという。
「トチイエ」では、土地価格が1000万円前後で駅や学校、スーパーやドラッグストアなどの施設へのアクセスが良い土地を厳選。注文住宅設計のノウハウを生かし、傾斜や陽の入り方、冬期の家の中の暖かさなどを確認した、子育て世代にフィットする価格と立地の土地を提供する。
住宅は、同社の主力ブランド「ゆきだるまのお家」のプランニングと仕組みを引き継ぎ、高気密高断熱住宅の性能を持ちながらローコスト化を実現。日射取得を計算した土地の仕入れと設計によって、毎日の光熱費が安く済む暮らしを提供する。立地や価格に加え、安い光熱費で快適に暮らすことのできる高付加価値の建売住宅を実現している。
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